5年生の夏から、中学受験の勉強をスタートした生徒がいます。
中学受験の準備としては、決して早いスタートではありません。むしろ、かなり遅い方でしょう。多くの子どもたちは4年生から塾に通い始め、5年生の夏にはすでにかなりの単元を終えています。そう考えると、半年どころか、もっと大きく遅れているように見えるかもしれません。
でも、その子はそこからWEBワークスを使って、黙々と最初から勉強を始めました。
最初は、特別なことをしたわけではありません。まずは基本から。映像を見て、問題を解いて、わからなければもう一度確認する。そういうことを、ひとつずつ積み重ねていきました。
もちろん、最初からすぐに追いつけたわけではありません。始めた時期が遅い以上、やらなければいけないことはたくさんあります。塾で先に進んでいる子どもたちと比べれば、知らないことも多い。だから、焦ろうと思えばいくらでも焦れる状況ではありました。
しかし、そこで大事だったのは、本人が自分のペースで続けたことです。
半年ほどたってから、オンライン個別もスタートしました。本人がある程度ペースをつかんできた一方で、内容はだんだん難しくなっていきます。そうなると、どうしても自分だけでは解決できない問題も出てくる。
そこで、オンライン個別では、わからない問題を先生に聞く、という形が中心になりました。
つまり、先生が最初から全部を教え込むというよりも、本人がまず自分で取り組む。そのうえで、つまずいたところを先生に聞く。ここが非常に大事だったと思います。
勉強というのは、ただ授業を受けていればできるようになる、というものではありません。もちろん、説明を聞くことは大事です。しかし、それ以上に大事なのは、自分で考え、自分で手を動かし、自分でわからないところにぶつかることです。
その経験があるから、先生に質問したときにも、理解が深くなります。
「どこがわからないのか」が自分で少し見えている。
「ここまでは考えたけれど、この先がわからない」という状態になっている。
そうすると、先生の説明もただの説明ではなく、自分の考えを前に進めるヒントになります。
そこから、本人の理解力はさらに伸びていきました。
最初は遅れていたはずなのに、だんだん問題が解けるようになってくる。前は時間がかかっていたことが、少しずつ早くなる。説明を聞いてもピンとこなかった内容が、自分で解ける形になってくる。
そして、この5月には見事に追いつきました。しかも、ただ追いついただけではなく、かなりできるようになってきたのです。
もちろん、本人にはもともとそれなりの理解力があったのだと思います。そこは否定する必要はありません。
しかし、それだけでここまで来たわけではない。
やはり、継続した努力がその力をさらに育てたのです。
子どもの力というのは、最初から決まっているものではありません。今できないから、これからもできないわけではない。スタートが遅いから、もう間に合わないわけでもない。
ただし、条件はあります。
それは、自分で続けることです。
毎日少しずつでも進める。わからない問題があっても、そこで全部投げ出さない。できなかったところをもう一度見直す。必要なときには先生に質問する。
こういうことを続けていけば、子どもはちゃんと変わっていきます。
逆に言えば、親が毎日「勉強しなさい」と追いまくるだけでは、なかなかうまくいきません。もちろん、最初のきっかけづくりや環境づくりは必要です。しかし、最後に力をつけるのは、本人が自分で勉強に向かう時間です。
親が横について、あれをやれ、これをやれ、と全部管理し続ける。
できないと叱る。
遅れていると焦らせる。
そういうやり方では、子どもはだんだん勉強を「やらされるもの」と感じてしまいます。
でも、自分で進めていく感覚が出てくると、少し違ってきます。
今日はここまでやった。
前よりできるようになった。
この問題は自分で解けた。
わからないところは先生に聞けばいい。
そういう経験が積み重なると、勉強は少しずつ自分のものになっていきます。
この生徒ができるようになった理由は、特別な裏技があったからではありません。
大量の宿題を無理やりこなしたからでもない。
毎日親に叱られ続けたからでもない。
誰かが全部横について教え込んだからでもない。
自分で続けたからです。
そして、必要なときに必要な助けを得たからです。
WEBワークスで自分のペースを作り、オンライン個別でわからないところを解決する。この組み合わせがうまく機能したのは、本人がまず自分で取り組んでいたからでしょう。
受験勉強では、どうしても「今どのクラスにいるか」「偏差値がいくつか」「周りに遅れていないか」ということが気になります。
しかし、本当に見なければいけないのは、子どもが自分で勉強を進める力を身につけているかどうかです。
その力がついてくると、子どもはあとから伸びます。
最初は遅れていても、続けていれば追いつくことがある。
しかも、ただ追いつくだけではなく、そこからさらに伸びていくこともある。
今回の生徒は、まさにその例でした。
できるようになった理由は、本人が自分で続けたこと。
それに尽きると思います。