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田中 貴(たなかたかし)
東京教育大付属駒場中・高を経て、慶応義塾大学経済学部卒業。元修学社(学習指導会)社長。退任後複数の塾のプロデュースを担当。
フリーダムオンライン 主宰。

ノートに問題は解く

最近はタブレットで問題を解く子も増えてきました。

教材もデジタル化されていますし、移動中に勉強することもできます。重いテキストやノートを何冊も持ち歩かなくてよい、という意味では、確かに便利です。実際、事情があって移動が多く、落ち着いて自分の机で勉強する時間を取りにくい場合には、タブレットを使うことで何とか学習を続けられる、ということもあるでしょう。

だから、タブレットで勉強すること自体が悪い、という話ではありません。

ただ、算数の問題を解く、特に中学受験の問題を解くという点では、やはりノートに書いて解くことを基本にした方が良いと思います。

理由ははっきりしています。算数は、答えだけを出す勉強ではないからです。

問題文を読んで、条件を整理する。図を描く。式を立てる。場合分けをする。途中の計算を残す。間違えたときに、どこで考え違いをしたのかを見直す。

こうした作業は、頭の中だけで済ませるものではありません。手を動かして、紙の上に考えを残していくことで、初めて自分の考え方が見えてきます。

タブレットにもペンで書くことはできます。しかし、画面の大きさや書き心地、ページ全体を見渡す感覚は、やはりノートとは違います。途中式や図を自由に広げていくには、紙のノートの方が向いている場面が多いのです。

特に中学受験の算数では、解いている途中で考え方が変わることがあります。

最初に描いた図を見直して、別の線を引く。表を書いてみて、規則に気づく。式を書いたところで、条件の読み違いに気づく。そういう試行錯誤が大事なのです。

その試行錯誤が、ノートには残ります。

一方、タブレットでは、消すことが簡単です。書き直すことも簡単です。それは便利な反面、子どもがどう考えたのか、どこで迷ったのか、どこで間違えたのかが残りにくい。

勉強で大事なのは、きれいな答えを残すことではありません。むしろ、間違えた跡、考え直した跡、計算をやり直した跡にこそ、次に伸びる材料があります。

ですから、問題を解くときは、まずノートを開く。

問題番号を書き、必要なら図を描き、条件を整理し、式や計算を残していく。答えが合っていたかどうかだけでなく、その答えにたどり着くまでの道筋を残していく。

これを習慣にしておくと、復習がまったく変わります。

「なぜ間違えたのか」が見えるようになります。計算ミスなのか、条件の読み落としなのか、考え方そのものが違っていたのか。ノートを見れば、親も先生もかなり正確に判断できます。

逆に、答えだけが残っている勉強では、何が悪かったのかが分かりません。

だから、算数の勉強では、ノートは単なるメモ帳ではありません。考えを組み立てる場所であり、あとで自分の学びを振り返るための記録でもあります。

もちろん、家庭の事情や移動の多さによって、いつも理想通りに机に向かえるとは限りません。その場合にタブレットを活用するのは、現実的な工夫です。

ただ、落ち着いて勉強できる時間があるなら、問題はノートに解く。

この基本は、やはり崩さない方が良いでしょう。

子どもたちは、書きながら考えることで、少しずつ自分の解き方を作っていきます。ノートに残った途中式や図は、その子の思考の足跡です。

その足跡を残していくことが、算数の力を伸ばすうえで、とても大切なのです。

オンラインでできることは、オンラインでまず済ます

中学受験の勉強は、どうしても「どこかに通わなければいけない」「先生に直接見てもらわなければいけない」と考えがちです。

もちろん、対面でなければ伝わりにくいことはあります。子どもの表情、手の動き、答案を書く様子。そういうものを見ながら指導することには、大きな意味があります。

しかし一方で、今はオンラインで済ませられることもずいぶん増えました。

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GWは楽しい時間を

ゴールデンウィークが近づいてくると、受験生のご家庭では、つい「ここで勉強時間を稼がないと」と考えがちです。

もちろん、まとまった休みですから、普段できない復習をする、弱点を整理する、ということはあっても良いでしょう。

しかし、だからといって、朝から晩まで勉強で埋め尽くす必要はありません。

むしろ、私は「GWは遊んで良いよ」と思っています。

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朝、自分で起きられるか?

朝、自分で起きられるかどうか、というのは、案外大事なことです。

受験勉強というと、つい塾の成績や、テストの点数ばかりに目が向きがちです。もちろん、それは大事です。
しかし、実際に子どもたちの様子を見ていると、生活のリズムが整っている子の方が、やはり勉強も安定しやすい。

その中でも、「朝、自分で起きる」というのは、ひとつの目安になるでしょう。

親が何度も声をかけて、ようやく起きる。
起きても、ぼんやりしていて、なかなか動き出せない。
朝ごはんにも時間がかかり、結局、家を出るまでがバタバタになる。

こういう毎日が続くと、1日のスタートからもう流れが悪くなるのです。

別に、根性論を言いたいわけではありません。
朝が弱い子もいるし、体調や睡眠時間の問題もあるでしょう。

ただ、少なくとも「自分で起きようとする」という姿勢は大事です。

受験勉強というのは、結局、最後は自分でやるしかない。
親が横について全部管理するわけにはいかないし、塾の先生が24時間見ているわけでもない。

だから、少しずつでも、自分で時間を意識し、自分で動き出す力をつけていく必要があるのです。

朝、自分で起きる、というのは、その最初の一歩かもしれません。

もちろん、すぐにできるようになる子ばかりではありません。
夜寝る時間が遅すぎるなら、まずそこを見直す必要があるでしょう。
寝る前にスマホや動画に時間を取られているなら、それも改善しないといけない。

つまり、「朝起きなさい」と言う前に、前の日の過ごし方を整えることが先です。

受験生だから夜遅くまで勉強する、という考え方もありますが、小学生の場合は、あまりおすすめしません。
夜、眠い中でだらだらやるより、しっかり寝て、朝きちんと起きる方が、結果として勉強の質は上がります。

そして、親も、全部を肩代わりしすぎないことです。

起こすにしても、最初から最後まで世話を焼くのではなく、だんだん自分でできる形に持っていく。
最初は声をかける。
そのうち目覚ましを使わせる。
できた日はきちんと認める。

そうやって、少しずつ「自分でできる」を増やしていくのです。

朝、自分で起きられるか。
それは単なる生活習慣の問題ではなく、自分で自分を動かせるか、ということでもあります。

受験勉強は、誰かにやらされるものではありません。
自分で起きて、自分で机に向かう。
その力を育てていくことが、結局はいちばん大事なのだと思います。

新学期のペースを掴む

新学期が始まりました。

クラスが変わり、先生が変わり、時間割も変わる。子どもたちにとっては、見た目以上に大きな変化です。

親から見れば、同じ学校が始まっただけ、と思われるかもしれませんが、子どもたちは新しい環境の中で、少しずつ自分の居場所やリズムを作ろうとしています。

だから、この時期はあまり無理をしない方がいい。

もちろん、受験生ですから、勉強は大事です。塾も始まるし、宿題もあるし、復習もやらないといけない。しかし、最初から全部を完璧にやろうとすると、かえって続かなくなります。

大事なことは、まず新学期の生活のペースを掴むことです。

何時に起きて、何時に学校から帰ってきて、いつ宿題をやり、いつ塾の勉強をするのか。まずは生活全体の流れを落ち着かせる。

これができてくると、勉強のペースも自然に整ってきます。

逆に言えば、新学期早々にあれもこれもと詰め込みすぎると、子どもは疲れてしまう。学校に慣れるだけでもエネルギーがいるわけですから、その上に勉強の負担を一気に乗せれば、どこかで息切れします。

ですから、この時期は**「全部やる」より「続けられる形を作る」**ことを優先してほしいのです。

例えば、毎日必ずやることを一つ決める。

計算でもいいし、漢字でもいいし、理科や社会の知識の確認でもいい。時間にすれば10分でも15分でもいいのです。大事なのは、毎日机に向かう流れを切らさないことです。

塾の復習についても、最初から細かく全部片づけようとしないことです。

授業でやったことのうち、何ができて、何ができなかったのかをまず確認する。そして、できなかったところを優先してやる。全部を同じ重さで抱え込む必要はありません。

新学期は、子どもも親も、つい気持ちが前に出やすい時期です。

今年はここから頑張ろう。
遅れを取り戻そう。
しっかりやらせよう。

そう思うのは自然なことです。しかし、受験勉強は短距離走ではありません。春に飛ばしすぎて疲れてしまうと、その先が続かない。

むしろこの時期は、無理なく走り続けられるペースを見つけることの方が大事です。

親が見るべきなのは、今日どれだけやったか、ではありません。

毎日の流れが安定しているか。
勉強に向かう時間が決まってきたか。
学校が始まっても、大きく崩れずに過ごせているか。

そういうことを見ていく方が、ずっと意味があります。

新学期は、スタートダッシュの時期ではなく、土台を作る時期です。

この土台ができると、5月、6月になってから勉強の量も質も上げやすくなる。逆にここで生活が乱れてしまうと、後から立て直すのに時間がかかります。

まずは学校生活に慣れること。
その上で、家庭学習の時間を安定させること。
そして、塾の勉強を無理なく乗せていくこと。

この順番で考えればいいのです。

新学期は、焦らないことです。

ペースが掴めれば、勉強は進みます。
ペースが崩れれば、やる気だけでは続きません。

だからこそ、今は新しい生活の流れを整えることを大事にしてほしいと思います。

自立をうながす

中学受験も、オンラインでかなりできる時代になってきました。

塾に行かなくても授業は見られるし、教材も届くし、質問もできる。以前に比べれば、家庭で受験勉強を進める条件はかなり整ってきたと思います。

ただ、ここでひとつ大事なことがあります。

オンラインでできる、ということと、子どもが自分で勉強できる、ということは同じではない、ということです。

仕組みが整えば自然に勉強するかというと、そう簡単ではありません。やはり最後は、本人が机に向かい、問題を読み、考え、やり直しをしていかないといけない。

受験ですから、当たり前といえば当たり前です。入試会場に親は入れないし、横で塾の先生が指示を出してくれるわけでもない。

だから、オンラインで勉強するにしても、早い段階から「自立」にトライしていく必要があるのです。

ここでいう自立は、最初から全部一人でやる、という意味ではありません。そんなことは小学生には無理です。

そうではなくて、少しずつ自分で判断する範囲を広げていく、ということです。

今日は何をやるのか。
どこでつまずいたのか。
間違えた問題をどう直すのか。
次に何を優先するのか。

そういうことを、少しずつ自分で考えるようにしていく。

最初は親が一緒に考えればいいのです。しかし、ずっと親が全部決めてしまうと、子どもは「言われたことをやる」だけになりやすい。

それで回っている間はいいのですが、成績が落ちたり、予定が崩れたりすると、急に動けなくなることがあります。自分で立て直す経験が足りないからです。

オンライン学習の良さは、実はここにもあります。

塾の時間割に全部を預けるのではなく、家庭の中で学習を組み立てる部分がある。だからこそ、子どもが自分で考える余地が生まれるのです。

もちろん、親の助けは必要です。中学受験は親子の受験と言われるくらいですから、全部を本人任せにするわけにはいかない。

しかし、ずっと親が前に出続けるのではなく、少しずつ後ろに下がっていく。その過程を意識して作っていくことが、オンラインで受験勉強を進める上では特に大事だと思います。

便利な仕組みが増えたからこそ、最後に問われるのは本人の力です。だから、早くから自立にトライする。

その方が、受験のためにも、その先のためにも、意味があるのではないでしょうか。

モチベーションがかわる。

どんな子でも受験勉強を始めるとき、最初からモチベーションが高いわけではありません。

だから、スタート時、「やらされている子」は多いもの。しかし、やれ組み分けだ、やれ宿題だ、やれ講習だ、となってくるウチに、もともとモチベーションが高くないので、だんだんイヤになってくるということはあるものです。

その結果、親子バトルが絶えない、ということで、じゃあ「やめてしまいなさい!」という決断をしたご家庭も少なくないでしょう。

ところが、モチベーションが変わるときがある。

ある子は、友だちと話をしていて「お前、ホントにそれでいいのかよ」と言われて、考え直したそうです。

まあ、友だちはきっと親の受け売りだったとは思うものの、こういうことって、親よりも友だちから言われた方がズキンとすることがある。

結果として、塾を再開したが、今度は、本人のモチベーションがしっかりしているのだがんばれる、ということはあるものです。

だからモチベーションをどう作るかの方が大事。

そのためにしばらく止めるというのも当然ありです。本人がやる気になれば、話は変わりますから。


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AIと一緒に勉強する

すでに大学生や高校生、あるいは中学生もAIを使って勉強していると思います。

ただ、その使い方はほとんど「やってもらう、調べてもらう」ということになることが多いでしょう。

レポートは、まあ、御法度にしても、宿題の答えを教えてもらう、ということはすでに可能になっているし、AIはまだ図が読めないところがあるので、図形問題は難儀すると思いますが、しかし、それ以外は結構行ける。

で、問題は、ただ頼るのではなく、主体的に使う、という考え方。

特に自分の思考を中断させないのにはプラスになります。

本来難しい問題を解いていくと、なかなか思考が継続しない。しかし、そこでAIが例えばヒントを出してくれるようにすると、またちょっと考えようか、という気になってくるのです。

絶対に触らせない、というのではなく、上手に使うためには、ある環境の中で限定的な使い方ができるようにすることが不可欠なので、これからそういう環境がいろいろ出てくるでしょう。


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すべての学校に出題傾向はあるもの

各塾の学校別対策のコースを見ていると、やはり首都圏の場合は2月1日校がほとんどでしょう。

例えば神奈川の場合は栄光・聖光を第一志望にしている子どもたちが多いが、この2校の学校別対策をしている塾は、割と限られる。

さらに他の学校については、かなり絞られてしまうケースが多いでしょう。

そして、何となく十把一絡げ的にまとめられてしまう。

結果として、受けない学校の過去問や類題をやる羽目になって、「志望校の過去問をやりたい」と言っても、「まあ、みんな似たような傾向ですから、塾のことをやっていれば、ちゃんと対応できますよ」みたいな感じになってしまいやすいのです。

しかし、中堅校にはもちろん学校別出題傾向があります。

しかも、かなりはっきりしている。これらの学校は、出題傾向を明確にして、学校別対策がやりやすいように、元から出題傾向をあまり変えない。

だから、受けさせていく側からすると、ちゃんと対策をとればそれなりに入っていくことが多いのです。

もちろん、志望校に合わせてやらないと結果は出ませんが、しかし、ちゃんとやればちゃんと入る、というのははっきりしている。

ムダにいろいろなことをやらされるより、第一志望校に向けての準備をそろそろ始めていきましょう。


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今、京都です。

会員の授業をやっていたところ、開口一番、「今京都です!」と元気な声が聞こえてきました。

まあ、これがフリーダムの良いところだよねえ、という感じ。

旅先で授業?そこまでやらなくても?

いえいえ、塾の授業で行けなくなるよりはよほど良い。

これこそ飛び道具の威力ですね。


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